ブログへのはじめての投稿です。マラウイとどのようにして出会い、どのような印象を受けたのかを今回は書いてみたいと思います。
マラウイとの出会い
2017年1月17日に初めてマラウイを訪れました。
マラウイの首都リロングウェの近郊には、その水源となっているザラニヤマ森林保護区と呼ばれる森林が残されています。ザラニヤマという言葉は「野生生物」という意味で、昔は野生生物が沢山住んでいる森林でした。現在は違法な森林伐採等により森林の荒廃が急速に進み、野生生物の住処も失われてしまいました。
その森林を保護するためのプロジェクトが立ち上げられ、その運営管理や割り当てられた専門分野の協力活動を行うためにマラウイを訪れることになりました。
日本とマラウイの間を行ったり来たりしながら、長くて2ヶ月、短くて2週間の滞在を繰り返しながら現在に至っています。
もう一つ担当しているケニアでの仕事と合わせると、一年の半分くらいは海外で生活しているのかもしれませんね。
現在は残念ながら新型コロナ禍の影響で日本での長期滞在を強いられています。
マラウイの第一印象
空港から宿舎に向かう途中で素敵な光景に出会いました。
そこは、マラウイ の国道1号線と貨物列車用の線路が交わるところで、土地や建物の煉瓦色とトウモロコシ畑の緑との対比が色鮮やかで目を惹きつけます。遠方には稜線部をギザギザと尖らせた山もうっすらと望めます。それらのバランスが絶妙で、移動中の車窓からの僅かな時間の出会いでしたが、その一瞬でマラウイを好きになってしまいました。いつかはこの場所に足を運んでこの景色を写真に撮りたいという思いを強くしました。
後日、仕事の同僚の日本人とマラウイの風景について話をしたところ、彼も最初の渡航で同じ場所の景色が気に入ったとのこと。自分の感性が特異でないことを知り、少し安心しました。
マラウイは本当に貧しい国なのか?
さて、宿舎までの車窓からは、沿道に延々とトウモロコシ畑が広がり、そのトウモロコシがスクスクと育っているのを見受けました。「最貧国の一つと言われながらも実は豊かなんじゃないか?」という印象を受けました。
しかし、このような楽観的な印象を受けたのは、最初に訪問したのが雨季であったためだということが、後になってわかりました。
マラウイでは3月の終わり頃から11月の末ごろまで、殆ど雨の降らない乾季が訪れます。灌漑施設はまだ発達していませんので、作物を収穫できるのは年一回です。その時に何を作付けるのか、農家の人たちの知識と経験と腕の見せどころです。
マラウイでは人口の約9割が農村部に住んで農業を営んでいます。
近年は気候変動の影響も受けて季節の変わり目が不安定になっています。適切な作付け時期を逃してしまい、十分な収穫が得られなかったという人たちも多く見受けられるようになってきているそうです。
心穏やかなマラウイ人
気候変動にも左右されながら、決して豊かとは言えないマラウイですが、それでも、人々の性格は穏やかです。街中で言い争いをしている光景は稀に見られても、それ以上の暴力沙汰になることは殆どありません。これまで外国との戦争や内戦を経験したことはなく、「Warm Heart of Africa」という言葉でこの国の人々の性格が形容されています。
そのような、のんびりしたとも言える穏やかな性格、人を押しのけてまで前へ進もうとはしない性格が、この国の発展を抑えてきたのではないかと、たまに心配になることがあります。
「たまには真剣にガツガツと働いてくれよー!」と言いたくなることもしばしばあります。