このサイトのドメイン名を決めるもととなった蝶を紹介します!

Abantis zambesiaca というのがこの蝶の名前です。

Abantis zambesiaca との出会い

この蝶とは、マラウイ国の首都リロングウェの水源になっている、ザラニヤマ森林保護区内で2020年2月17日にはじめて出会いました。

蝶の種類によって彼らが好む場所というのは大体決まっていて、その日は谷川の岩場に水を飲みに来る蝶たちを目当てにしてみました。

何度も丘を登り沢を越えて、滑って転んで傷だらけになりながら目的地に着いて。でも、この蝶に出会えた瞬間にそれらの苦労は一瞬にして吹き飛んでしまいました。

オスに限った行動だそうですが、運動量が多い種類の蝶は、日中の暑い時間帯にその身体を冷やすために吸水を頻繁に行います。水をたくさん吸っては、それをお尻の先端からジェット噴射して、それを繰り返すことにより身体を冷やします。谷川の岩場にはそれらの蝶が集まってきます。

どんなに敏捷に飛ぶ蝶でも水を吸い始めると、それに集中して周囲への警戒が疎かになります。この蝶も実際に吸水を始めたらこちらの存在を忘れてしまったようです。30cmくらいにまで近づいても逃げませんでした。

まあ、この蝶の仲間は強靭な筋力を持っていてロケットのように飛び立つことができますので、それくらいの距離はまだ許容範囲だったのかもしれません。「来るなら来てみろ!俺はまだ平気だぜ!」ってね。

Abantis zambesiaca について

Abantis zambesiaca が属するセセリチョウ科

この蝶はセセリチョウ科という仲間に分類されます。セセリチョウ科の蝶は、草原や林の縁の低い場所を敏捷に跳ねるように飛び回ることから、Skipper という英名を付けられることが多いようです。この蝶も Zambezi Skipper という英名が付けられています。

セセリチョウ科の蝶の多くが、翅を半ば広げたまま草の葉の上などで休憩することや、触角の先っぽが細く尖っていることから、蛾の仲間だとよく勘違いされます。確かに、蛾に近い仲間であるみたいですが。。。でも、明るい場所を好みます。

顔が横広で体型もずんぐりとしています。でも、コンパクトに纏まっているとも言えます。無駄がない!

また、横広な顔つきが功を奏して、正面から見るととても愛嬌のある顔をしています。
大好きな仲間の蝶たちです。

Abantis zambesiaca とは

Abantis の仲間はマラウイには5種類が分布しているようです。アフリカ地域に特有な種類(属)です。地味な色合いを持つ蝶が多いセセリチョウの中で、Abantis の仲間、特にその中の2種類は色鮮やかな色彩を身につけています。でも、この Zambezi Skipper が一番好きだな。

漆黒のボディーに真っ赤な襟巻きと腰巻とパンツを身に付け、翅には真っ青な鱗粉が敷き詰められて、翅の端の部分はブリリアント・ブルーに輝いている。そしてアクセントとなる白い斑紋が要所要所に刻印されている。白いストッキングも履いているのもオシャレだ。
青と白と赤と黒、その対比とバランスがとても素晴らしい!

このブログのタイトルを「森林(もり)の宝石」としたのも、ドメイン名にこの蝶の名前を冠したのも、頷いていただけるのではないでしょうか。